入社して数か月で「思っていたのと違う」と感じたとき。辞める前に3つに仕分けて確かめること

更新日: 2026年10月20日

転職活動の進め方

日曜の夜、月曜に着ていくシャツをアイロン台に広げたところで、手が止まる。入社して4か月。仕事が嫌なのか、この会社が合わないのか、自分が甘いだけなのか、区別がつかないまま、胸のあたりだけが重い。 この記事は、辞めると決める前に、その「合わない」を3つに仕分けて、それぞれ何を確かめればよいかを、厚生労働省の資料にもとづいて整理したものです。

分かれ道マップ

いまの「違う」は、どれに近いですか

状況を開くと、この記事で先に読む場所が出ます。

いちばん近いものを選んでください

  • 聞いていた給与・時間・休日・仕事の内容と、実際が違う
    結論

    まず、入社時に受け取った書面と実際を並べます。書き出した食い違いは、相談窓口に持っていく材料になります。

    仕分け1 書面と実際を並べる 困ったときの相談先
  • 書面どおりだけれど、想像していた仕事や職場と違う
    結論

    慣れの途中なのか、方向そのものが違うのかを、2週間の記録で分けます。辞めた場合の手続きも、決める前に知っておけます。

    仕分け3 2週間の記録 仕分け2 試用期間と退職の手続き
  • 眠れない、朝に体が動かないなど、心や体に出ている
    結論

    仕分けや書類の整理より先に、医療機関や公的な窓口に相談することが大切です。この記事の手順は、そのあとでも間に合います。

    困ったときの相談先
  • 辞めると決めて、次の応募のことを考えている
    結論

    在籍が短い経歴は、書類と面接での扱い方を先に決めておくと準備が進みます。退職の手続きの確認とあわせて読めます。

    次の応募での扱い 仕分け2 試用期間と退職の手続き

「合わない」は、一つの話ではありません

入社数か月での違和感は、中身が人によって違います。ここでは編集部の整理として、次の3つに分けます。調査にもとづく分類ではなく、確かめる先が違うので分けているだけです。

3つ目に当てはまるときは、この記事を読み進める前に、医療機関や公的な相談窓口を使ってください。どれが当てはまるかを一人で決めきれないことも多いので、複数に当てはまるなら、重い方を先に扱います。

仕分け1 入社時にもらった書面と、実際を並べる

労働基準法第15条は、使用者は労働契約を結ぶときに、労働者に賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない、と定めています。 厚生労働省のよくある質問では、契約期間、働く場所と仕事の内容、始業・終業の時刻や休日、賃金の決め方や支払い、退職に関することなどは、書面の交付で示すものとされています。 入社の前後に受け取った「労働条件通知書」(雇用契約書を兼ねている場合もあります)が、これに当たる書類です。

同じ条文の第2項には、示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できる、という定めがあります。 厚生労働省の審議会資料も、求人など募集のときの明示と、契約を結ぶときの明示を別の段階として整理し、即時解除の定めは契約を結ぶときの明示について置かれたものとしています。 ただし、どの程度の違いがこの定めの対象になるのか、解除するのが得策かどうかは、個別の事情で変わります。この記事では判断できません。 書面を並べて違いを書き出し、次の相談先に持っていくところまでが、ここでの作業です。

表は横にスクロールできます →

書面と実際を並べるメモ(右の列は自分で書き込みます)
項目 書面に書いてあること 実際(自分で書く)
賃金 基本給、手当、残業代の扱い(定額の残業代が含まれるか)、締め日と支払日 最近の給与明細の内訳
労働時間・休日 始業と終業の時刻、休憩、休日、所定時間を超える勤務の有無 この1か月の実際の出退勤
場所・仕事の内容 就業の場所、従事する業務 いま実際にしている仕事と、いる場所
契約期間・試用期間 期間の定めの有無、試用期間の長さとその間の条件 説明された内容と書面が合っているか

求人票や求人サイトの募集の画面、面接での説明のメモも、手元にあれば並べておきます。 あとから話し合うとき、何がどの時点で示されていたかを自分で確認できるようにするためです。 ハローワークの求人については、求人票と実際の労働条件が違うときの申し出の窓口を、厚生労働省が案内しています。

仕分け2 試用期間と退職の手続きを、先に知っておく

辞めると決めていなくても、辞める場合にどうなるかを知っておくと、決める前の息苦しさが少し軽くなります。 厚生労働省のモデル就業規則の解説には、次のことが書かれています。

1つ目から、試用期間の長さは労働基準法に定めがなく、会社ごとの定めだと分かります。 2つ目は、期間の定めのない雇用(正社員など)の場合の説明です。契約社員のように期間の定めがある契約は扱いが異なるため、契約書で期間を確認してください。 会社の就業規則に「退職の申し出は何日前まで」という定めがある場合に、それと民法の原則がどう関わるかは、この記事では断定しません。 就業規則の「退職」の章を読み、疑問が残るなら次の相談先で聞いてください。

3つ目の証明書は、次の応募で在籍した期間や仕事の内容を伝える場面で役に立つことがあります。

退職後の雇用保険や健康保険、年金の手続きと条件は、在籍期間や事情によって変わります。この記事では確認できていないため書きません。 ハローワークや年金事務所などの窓口で、自分の場合を確かめてください。

仕分け3 書面どおりなら、2週間の記録で「慣れ」と「方向」を分ける

書面どおりなのに「違う」と感じるときは、入社後しばらくの不慣れが続いているのか、仕事の方向そのものが自分と合っていないのかを、感覚だけで決めるのが難しいところです。 編集部のおすすめは、2週間だけ、毎日1行の記録をつけることです。効果を確かめた方法ではありませんが、頭の中のもやもやを紙に出すだけでも、整理しやすくなります。

2週間後に並べると、「慣れれば減りそうなこと」「相談すれば変わりそうなこと」「ここにいる限り変わらなそうなこと」に分かれます。 相談で変わりそうなことは、辞める前に社内で相談する余地があります。ただし、相談して変わるかどうかは会社しだいで、約束はできません。 変わらなそうなことは、辞めるかどうかとは別に、次の仕事を選ぶときの「譲れない条件」の材料になります。 この記録は、あとで転職理由を言葉にするときにもそのまま使えます。 転職理由の伝え方は、面接で「転職理由」をどう伝える?好印象につながる考え方に整理しています。

動くなら 在籍が短い経歴を、次の応募でどう扱うか

ここは、転職メディアやエージェント各社の公開解説を検索で確認した範囲での一般的な整理です。検索結果の要約を見ただけで、各記事の本文はすべて読めてはいません。 共通して書かれていたのは、次の3点です。

仕分けの結果は、この説明にそのまま使えます。事実、確認したこと、次に求める条件の3文にすると、言い方の方向が決まります。 次の例は、説明の型を示すための架空の例文です。

「入社前に聞いていた○○と、実際の○○に違いがありました。上司に相談しましたが変わらなかったため、○○を最初に確認できる会社で働きたいと考えています。」

新卒で入った最初の会社が短かった場合は、 第二新卒で経験した会社が1社だけ、転職エージェントにどう伝える?も参考になります。 在職のまま動くなら、 在職中の転職活動、どう進める?スケジュールの立て方の基本に進め方をまとめています。 エージェントを使うなら、在籍が短い事情は最初の面談で話して、書類の書き方を相談できます(対応はサービスごとに異なります)。 どのタイプが自分の状況に近いかは、タイプ別・エージェント選び方診断(広告を含むページです)で確かめられます。

困ったときの相談先

個別の判断が必要なときは、社会保険労務士や弁護士にも確認してください。

今週のチェックリスト

まとめ

「思っていたのと違う」は、書面と実際の違い、想像との違い、心や体の負担の3つに分けると、確かめる先が見えてきます。 辞める手続きを知ることと、辞めると決めることは別のことです。 アイロン台の前で止まっていた手が、「まず書面を机に出す」ところまで動いていたら、月曜の朝の重さの正体が、少しだけ言葉になっているかもしれません。 いまのしんどさは、書面と違うことですか。それとも、思っていた仕事の形と違うことですか。

本記事は一般的な情報提供を目的とした編集部独自のコンテンツです。労働契約の解除、退職の手続き、就業規則の解釈に関する個別の判断は、 総合労働相談コーナー、社会保険労務士、弁護士などの専門家や公的な相談窓口にご確認ください。 心身の不調がある場合は、医療機関にご相談ください。 転職や退職の結果について、特定の結果を保証するものではありません。 タイプ別・エージェント選び方診断は、広告を含むページです。